小論文がなぜ大切か
小論文は「知識の量」ではなく「考え方をどのように文章で伝えるか」を問う試験です。実は、書き方の型を知れば誰でも書くことができます。本記事では、入試で評価される小論文の基本構成と、具体的な書き方のステップを解説します。
小論文の基本構成(型)を理解する
序論 → 本論 → 結論 の流れが基本
① 序論:自分の意見を一文で言い切る
↓
② 本論:理由 → 具体例 → 再確認
・なぜその意見を持つのか(理由)
・体験・社会例・身近な例で説明
↓
③ 結論:意見を短く再提示+未来視点
① 序論:自分の立場をはっきりさせる
序論では、テーマに対する自分の意見を一文で示すことが大切です。
⚫︎「私は〜だと考える」
⚫︎「私は〜に賛成である / 反対である」
⚫︎「私は〜が重要だと考える」
と、言い切ることがポイントです。
例として、「学校でスマホ使用を認めるべきか」というテーマが出たとします。
×「どちらにも良い点と悪い点があると思う。」
→ これでは 意見がぼやけている。
○「私は、学校でのスマホ使用を一定の条件のもとで認めるべきだと考える。」
→ 立場が はっきりしている。
序論は短くて良く、目安は全体の1〜2割です。
② 本論:理由と根拠を示す
本論は小論文の中心部分です。ここが一番長くなります。
本論では、次の順で書いていきます。
→ 具体例(体験・事例・データ)
→ 再度理由を確認
ポイントは 「なぜそう思うのか?」を説明すること。
「〜だからだ。」と 因果関係 をはっきり書きます。
本論で役立つ例の種類は主に3つです。
種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
体験例 | 自分の経験を使う | 部活動での経験、授業での学びなど |
社会例 | 社会で起きている事例 | ニュース、統計、企業の取り組みなど |
身近な例 | 学校・家庭・友人など | 観察したこと、聞いた話など |
例は一つで良く、無理にたくさん書く必要はありません。
結論:簡潔にまとめ、少し視野を広げる
結論では、序論で述べた自分の意見を短く言い直します。
よって、私は〇〇であると考える。
そのあと、以下のような少し広い視点を入れると質が上がります。
⚫︎社会にとってどんな意味があるか
⚫︎将来にどのようにつながるか
⚫︎今後の課題は何か
結論は長くせず、端的に、スッと終える。
書き方のステップ(手順)
書き方の具体的なステップは次のとおりです。
テーマを正確に読む(問いを勘違いしない)
自分の意見を一言で決める
根拠を2〜3つに分ける(例:社会的理由、個人的体験、データ)
例文構成で文章に落とし込む
例)「SNSと個人の情報発信についてどう考えるか」
理由:
①誰でも発信でき、自己表現の幅が広がる
②誤情報や炎上が社会問題になることもある
具体例:著名人や一般人の炎上事例、学校でのトラブル
結論:教育の中でリテラシー指導を強化する必要
このメモが作れれば、あとは文章にするだけです。
短い例文(200字)
「SNSにおける発信には、可能性と責任が共存する。SNSは誰でも情報を発信できるため、表現の自由が広がり、自分の考えを多くの人に届けることができる。しかし一方で、誤った情報や人を傷つける言葉が拡散される危険性もある。よって、SNSを活用する際には、情報を見極める力や、言葉の影響力を理解する姿勢が必要である。」
よくある失敗と対策
よくある失敗を見ていきましょう!ここではよく見かける小論文の内容をピックアップします
⚫︎ただの感想文 → 意見+根拠 で論理性を出す
⚫︎例が曖昧 → できるだけ具体的な事実や経験を使う
⚫︎文末が「〜と思う」ばかり → 言い切る
○ 私はその考えが有効だと考える。
まとめ
⚫︎小論文は 「序論→本論→結論」 の型で書く
⚫︎序論では 意見を一文で言い切る
⚫︎本論では 理由と具体例 を使う
⚫︎結論は 短く、視野を少し広げてまとめる
型を知れば、誰でも必ず書けるようになります。
あとは、日常の中で「自分はどう考えるか?」を言葉にする習慣が大切です。