小論文を書くときにまず気になるのが「文字数」です。
入試や模試では、400字・600字・800字といった指定文字数で書くことが多く、文章量をコントロールできることが重要になります。
小論文の文字数の目安
さまざまな文字量が求められます。
場面・試験 | 目安となる文字数 | 特徴 |
|---|---|---|
授業・練習用 | 400〜600字 | 文章の構成の練習に向いている |
推薦入試・総合型選抜 | 600〜800字 | 論理的に主張を展開する必要がある |
一般選抜(大学入試) | 800〜1200字 | 資料読み取り+意見表明の力が求められる |
→ まずは600字を基準に練習するのがおすすめです。
文字数をうまく満たす書き方(構成の型)
② 意見(主張)…… 50〜100字
③ 理由1(具体・体験・データ)… 150〜250字
④ 理由2(別の角度の根拠)…… 150〜250字
⑤ 結論(まとめ・提案)… 80〜120字
合計で 600〜800字が自然に書ける形になっています。
文字数が足りないときの工夫
最後までしっかり文字数を予測して書くことは誰にもできません。そこで、書きながらうまく文字数を調整する技術が必要になります。
OK
⚫︎「なぜなら」「一方で」「例えば」など接続語を適切に使う
⚫︎例や具体的な説明を1つ増やす
⚫︎事実→理由→結論の関係を明確にする
NG:同じ内容を言い換えただけで文章を水増しする
文字数が多すぎるときの調整
逆に書きすぎてしまって調整が必要になることもあります。
⚫︎1文を短くする(60〜80字以内)
⚫︎例が長ければ、要点だけにまとめ直す
⚫︎主張に直接関係のない部分を削る
まとめ
⚫︎小論文の文字数は 400〜1200字が一般的
⚫︎600〜800字が最も多く用いられる
⚫︎「導入→意見→理由→結論」の型で書くとまとまる
⚫︎文字数は「伸ばす・削る」技術より「構成力」が大切
★ 小論文見本(約650字)
高校生向け・600字程度の小論文見本を提示します。
テーマは 「SNSと情報との付き合い方」 です。構成の型に沿っています。
現代の私たちは、SNSを通じて簡単に情報を得ることができる。しかし、その便利さの一方で、誤った情報や感情的な発言に流されてしまう危険性も高まっている。情報をどのように受け取り、判断するかが、社会で生きるうえで重要な課題となっている。
私は、SNSの情報と向き合う際には、**「自分で一度立ち止まって考える習慣」**が必要だと考える。なぜなら、SNSに流れる情報は、必ずしも事実だけではなく、個人の感想や一部を切り取った意見が多く含まれているからだ。
例えば、あるニュースに対して「評判が悪い」と書かれていたとしても、それは特定の一部の人々の意見に過ぎない場合がある。しかし、私たちは「多くの人がそう言っている」と錯覚してしまいがちだ。このような思い込みは、冷静な判断を妨げるだけでなく、自分の意見を持つことを難しくしてしまう。
では、どうすれば情報に振り回されずにすむだろうか。私は、情報源を複数比較することが効果的だと考える。異なる立場の意見や、公的機関のデータを確認することで、情報の偏りに気付きやすくなる。また、すぐに反応したり共有したりせず、「本当にそうなのか」と問い直す時間をとることも大切である。立ち止まって考えることは地味に思えるが、誤った情報の拡散を防ぎ、自分自身の判断力を鍛えることにつながる。
以上のように、SNSの情報は便利である一方で、私たちの考え方に大きな影響を与える。しかし、その影響に流されるのではなく、自分で確認し、考え、自分の意見を持つ姿勢が求められる。情報にあふれた社会だからこそ、より丁寧にものごとを捉える力を身につけていきたい。