「2」の平方根が無理数であることをわかりやすく証明していきます。たびたび出てくる問題なので、丸ごと覚えておきましょう。
「2」の平方根が無理数であることの証明の流れ
基本の流れ
「2」に限らずですが、ある平方根が無理数であることを証明するには決まった流れがあります。
2を有理数と仮定し、$\dfrac{q}{p}$ などとおく(pとqは違いに素な正の整数であるとする)。
↓
矛盾が生じる
↓
2は有理数ではない(よって2は無理数である)
↓
矛盾が生じる
↓
2は有理数ではない(よって2は無理数である)
※「互いに素」とは p と q は共通の約数を持たないことです。例としては、p=5、q=3、p=12とq=7などですね
背理法
このようにある仮定をして、その後で矛盾を示す証明方法を背理法(はいりほう)といいます。
「2」の平方根が無理数である証明方法は、背理法の代表的な証明ですね。
「2」の平方根が無理数であることの証明
では実際の証明です。
$\sqrt{2}=\dfrac{q}{p}$ ・・・①
(p, q は互いに素な正の整数)
とおくことができる。ここで、①の両辺を二乗して
$\begin{aligned}2=\dfrac{8^{2}}{p^{2}}\\ \leftrightarrow 2p^{2}=q^{2}\end{aligned}$
ここで、左辺は2の倍数より、右辺も2の倍数である。よって、$q=2m$ ・・・② とおくことができる(mは正の整数)。よって、
$\begin{aligned}2p^{2}=\left( 2m\right) ^{2}\\ \leftrightarrow 2p^{2}=4m^{2}\\ \leftrightarrow p^{2}=2m^{2}\end{aligned}$
ここで、右辺は2の倍数より、左辺も2のの倍数となる。
よって、$p=2n$ ・・・③ とおくことができる(nは正の整数)。
②、③より、pとqは共約数として2を持つが、これは、pとqが互いに素な整数であることに矛盾が生じる。
ゆえに、$\sqrt{2}$ を無理数である。
重要な部分だけを覚えて、後は自由な書き方でOKです