《二次方程式のもう1つの解の求め方》なんとなくで求めちゃっていいのか?

  • 2022年6月8日
  • 2022年6月8日
  • 数学
二次方程式のもう1つの解を求める方法
QUESTION
例えば、二次方程式で1つの階は $x= 2+\sqrt{3}$ だったとして、もう1つの解は $x= 2-\sqrt{3}$ と求めてしまって良いでしょうか

今回はこのような質問に答えていきます。

RYOHTA
結論から言うと、(解答欄にもよりますが)いきなり「もう1つの解は $x= 2-\sqrt{3}$ である」と言ってあげてOKです。

 

二次方程式のもう1つの解について

二次方程式のもう1つの解について、片方の解が、有理数が無理数かによってもう1つの解の求め方は異なります。とにかくまずは例題を見てみましょう。

 

もう1つの解が有理数の時

例題1:二次方程式 $x^{2}+mx+6=0$ の1つの解が $x=3$ の時、もう1つの解と $m$ の値を求めよ

このような問題があった時、もう1つの解は解と係数の関係でもとめます。

 

解と係数の関係
二次方程式 $ax^{2}+bx+c=0$  の2つの解を $x=A、B$ とすると、
$A+B=-\dfrac{b}{a}$
$A\cdot B=\dfrac{c}{a}$

 

よって、もう1つの解をBとすると、

$3+B=-m$
$3B=6$

の連立方程式がたてられます。これを解いて、$B=2、m=-5$ になりますね。

 

もう1つの解が無理数の時

例題2:二次方程式の1つの解が $x= 5-\sqrt{2}$ の時、もう1つの解を求めよ

このような問題があった時、(解答で指定がある場合を除いて)いきなりもう1つの解は $x= 5+\sqrt{2}$ と言って問題ありません。なぜなら二次方程式の解の公式から、2つの解は√の前の符号だけが逆になることがわかるからです。

 

解の公式
二次方程式 $ax^{2}+bx+c=0$  の2つの解は、
$x=\dfrac{-b\pm \sqrt{b^{2}-4ac}}{2a}$

 

RYOHTA
√の下には $2a$ があると思うかもしれません。
しかし、もし1つの解が $\dfrac{2-\sqrt{3}}{4}$ であれば、もう1つの解は、$\dfrac{2+\sqrt{3}}{4}$ と言えるわけです。

 

(用語は覚える必要はありませんが)これら2つの解を 共役解 といいます。

 

二次方程式のもう1つの解についての別解

なんとなくしっくりこないと言う人も多いかもしれません。では次のような説明でどうでしょうか。

1つの解が $x= 2+\sqrt{3}$ の時、もう1つの解を求めることを考えます。

√の部分だけを右辺に残して、移行し、両辺を二乗して整理します。

$\begin{aligned}x-2&=\sqrt{3}\\ \left( x-2\right) ^{2}&=\left( \sqrt{3}\right) ^{2}\\ x^{2}-4x+4&=3\\ x^{2}-4x+1&=0\end{aligned}$

1つ二次方程式ができました。

これで解の公式を使うと、不思議なことに $x=2\pm \sqrt{3}$ と2つの解が出てきました。

 

RYOHTA
詳しい説明はしませんが、√の部分の符号を逆にした共役解を絶対に持つので、自信をもって書けるようにしておくといいですね