今回はこのような質問に答えていきます。
二次方程式のもう1つの解について
二次方程式のもう1つの解について、片方の解が、有理数が無理数かによってもう1つの解の求め方は異なります。とにかくまずは例題を見てみましょう。
もう1つの解が有理数の時
例題1:二次方程式 $x^{2}+mx+6=0$ の1つの解が $x=3$ の時、もう1つの解と $m$ の値を求めよ
このような問題があった時、もう1つの解は解と係数の関係でもとめます。
二次方程式 $ax^{2}+bx+c=0$ の2つの解を $x=A、B$ とすると、
$A+B=-\dfrac{b}{a}$
$A\cdot B=\dfrac{c}{a}$
よって、もう1つの解をBとすると、
$3+B=-m$
$3B=6$
の連立方程式がたてられます。これを解いて、$B=2、m=-5$ になりますね。
もう1つの解が無理数の時
例題2:二次方程式の1つの解が $x= 5-\sqrt{2}$ の時、もう1つの解を求めよ
このような問題があった時、(解答で指定がある場合を除いて)いきなりもう1つの解は $x= 5+\sqrt{2}$ と言って問題ありません。なぜなら二次方程式の解の公式から、2つの解は√の前の符号だけが逆になることがわかるからです。
二次方程式 $ax^{2}+bx+c=0$ の2つの解は、
$x=\dfrac{-b\pm \sqrt{b^{2}-4ac}}{2a}$
しかし、もし1つの解が $\dfrac{2-\sqrt{3}}{4}$ であれば、もう1つの解は、$\dfrac{2+\sqrt{3}}{4}$ と言えるわけです。
(用語は覚える必要はありませんが)これら2つの解を 共役解 といいます。
二次方程式のもう1つの解についての別解
なんとなくしっくりこないと言う人も多いかもしれません。では次のような説明でどうでしょうか。
1つの解が $x= 2+\sqrt{3}$ の時、もう1つの解を求めることを考えます。
√の部分だけを右辺に残して、移行し、両辺を二乗して整理します。
$\begin{aligned}x-2&=\sqrt{3}\\ \left( x-2\right) ^{2}&=\left( \sqrt{3}\right) ^{2}\\ x^{2}-4x+4&=3\\ x^{2}-4x+1&=0\end{aligned}$
1つ二次方程式ができました。
これで解の公式を使うと、不思議なことに $x=2\pm \sqrt{3}$ と2つの解が出てきました。