《文字を含む二次関数》場合分けの5つのパターンと分けるコツについて

  • 2022年6月13日
  • 2022年6月13日
  • 数学
《文字を含む二次関数》場合分けの5つのパターンと分けるコツについて
QUESTION
$a$ などの文字が入った二次関数の場合分けの問題がわかりません。記述の書き方もややこしくて苦手です

 

今回はこのような質問に答えていきます。

 

文字 $a$ を含む二次関数の場合分けの問題の解き方

二次関数の場合分けの問題についてですが、コツがわかればそれほど難しくありません。

 

5つの場合分け

場合分けは、大きく分けて2通りで、合計5つの場合しかありません。

 

軸が枠の中央より左、中央より右にある時(2通り)
軸が枠の左、中、右にある時(3通り)

 

解き方のコツ

RYOHTA
文字だけではわかりにくいので、具体的な例を見てみましょう。

 

問題:$a$ を定数として$y=x^2-2ax+a$ 、($0≦x≦2$) の最大値と最小値を求めよ。

 

最大値

まずは最大値からです。まずは次のように式を変形して、二次関数の軸を求めます。

$\begin{aligned}y&=x^{2}-2ax+a\\ &=\left( x-a\right) ^{2}-a^{2}+a\end{aligned}$

これから軸は、$x=a$ であることがわかります。

場合分けは次の2通りになりますね。軸($x=a$)が範囲の中央($x=1$)より大きいか小さいかで場合分けをします。

二次関数aで場合分け

(ⅰ)$a≦1$の時
最大値は $x=0$ の時、よって最大値を $M(x)$ とすると、
$M(0)=0^{2}-2a×0+a=a$
になります

(ⅱ)$a>1$の時
最大値は $x=2$ の時、よって、
$M(2)=2^{2}-2a×2+a=-3a+4$
になります

まとめると
$a≦1$の時、$x=0$ で最大値 $a $
$a>1$の時、$x=2$ で最大値 $-3a+4$

RYOHTA
$M(x)$ という書き方に慣れていなければ、$M(x)$ を使わなくてもOK。また、「=」は逆に入れて、$a<1$ と$a≧1$ で場合分けをしても大丈夫です。

最小値

最小値を求める場合、場合分けは次の3通りになります。軸($x=a$)が範囲の左外、範囲内、右外にある場合で場合分けをします。

二次関数のaを含む問題の場合分け

(ⅲ)$a<0$の時
最小値は $x=2$ の時、よって最小値を $m(x)$ とすると、
$m(2)=2^{2}-2a×2+a=-3a+4$
になります

(ⅳ)$0≦a≦2$の時
最小値は $x=a$ の時、よって、
$m(a)=a^{2}-2a×a+a=-a^2+a$
になります

(ⅴ)$a>2$の時
最小値は $x=0$ の時、よって、
$m(0)=0^{2}-2a×0+a=a$
になります

まとめると
$a<0$の時、 $x=2$ で最小値 $-3a+4$
$0≦a≦2$の時、$x=a$ で最小値 $-a^2+a$
$a>2$の時、$x=0$ で最小値 $a$

 

RYOHTA
どのような場合分けになるかは、グラフによって変わります。簡易的なグラフを実際に書いて、ケースごとに考えていきます

 

文字 $a$ を含む二次関数の場合分け 練習問題

下に凸なグラフ

問題:$a$ を定数として$y=x^2-4ax+8$ 、($0≦x≦4$) の最大値と最小値を求めよ。

最大値

答えをみる

まずは、二次関数の軸を求めます。

$\begin{aligned}y&=x^{2}-4ax+8\\ &=\left( x-2a\right) ^{2}-4a^{2}+8\end{aligned}$

これから軸は、$x=2a$ であることがわかります。

aを含む二次関数の最大値、最小値を求める問題

(ⅰ)$2a≦2$の時、つまり$a≦1$の時
最大値は $x=0$ の時、よって最大値を $M(x)$ とすると、
$M(0)=0^{2}-4a×0+8= 8$
になります

(ⅱ)$2a>2$の時、つまり$a>1$の時
最大値は $x=4$ の時、よって、
$M(4)=4^{2}-4a×4+8=-16a+24$
になります

まとめると
$a≦1$の時、$x=0$ で最大値 $8$
$a>1$の時、$x=4$ で最大値 $-16a+24$

最小値

答えをみる

次の3通りに場合分けをします。

aを含む二次関数の場合分けで最小値を求める問題

(ⅲ)$2a<0$の時、つまり$a<0$の時
最小値は $x=4$ の時、よって最小値を $m(x)$ とすると、
$m(4)=4^{2}-4a×4+8=-16a+24$
になります

(ⅳ)$0≦2a≦4$の時、つまり$0≦a≦2$の時
最小値は $x=2a$ の時、よって、
$m(a)=(2a)^{2}-4a×a+8=-4a^2+8$
になります

(ⅴ)$2a>4$の時、つまり$a>2$の時
最小値は $x=0$ の時、よって、
$m(0)=0^{2}-4a×0+8= 8$
になります

まとめると
$a<0$の時、 $x=4$ で最小値 $-16a+24$
$0≦a≦2$の時、$x=a$ で最小値 $-4a^2+8$
$a>2$の時、$x=0$ で最小値 $8$

 

上に凸なグラフ

問題:$a$ を定数として$y=-x^2+2ax+4a$ 、($-2≦x≦0$) の最大値と最小値を求めよ。

最大値

答えをみる

まずは、二次関数の軸を求めます。

$\begin{aligned}y&=-x^{2}+2ax+4a\\ &=-\left( x-a\right) ^{2}+a^{2}+4a\end{aligned}$

これから軸は、$x=a$ であることがわかります。次の3通りに場合分けをします。

文字aを含む二次関数で上に凸なグラフで最大値を求める問題

(ⅰ)$a<-2$の時
最大値は $x=-2$ の時、よって最大値を $M(x)$ とすると、
$M(-2)=-(-2)^{2}+2a×(-2)+4a=-4$
になります

(ⅱ)$-2≦a≦0$の時
最大値は $x=a$ の時、よって、
$M(a)=-a^{2}+2a×a+4a=a^2+4a$
になります

(ⅲ)$a>0$の時
最大値は $x=0$ の時、よって、
$M(0)=-0^{2}+2a×0+4a= 4a$
になります

まとめると
$a<-2$の時、$x=-2$ で最大値 $-4$
$-2≦a≦0$の時、$x=a$ で最大値 $a^2+4a$
$a>0$の時、$x=0$ で最大値 $4a$

最小値

答えをみる

次の2通りに場合分けをします。

aを含む上に凸な二次関数で最小値を求める場合分けの問題

(ⅳ)$a≦-1$の時
最小値は $x=0$ の時、よって最小値を $m(x)$ とすると、
$m(0)=-0^{2}+2a×0+4a= 4a$
になります

(ⅴ)$a>-1$の時
最小値は $x=-2$ の時、よって、
$m(-2)=-(-2)^{2}+2a×(-2)+4a=-4$
になります

最小値をまとめると
$a≦-1$の時、$x=0$ で最小値 $4a$
$a>-1$の時、$x=-2$ で最小値 $-4$

 

RYOHTA
簡易的なグラフをすぐに書いて、「3通り」「2通り」のどちらの場合分けになるかをすぐに見極められるように練習してみましょう