《わかりやすい》最短距離を求める問題(平面編と立体編)。最短距離=直線の基本をマスターしよう

  • 2022年5月15日
  • 2023年11月19日
  • 数学
点と点の距離の問題。最短距離=直線をマスターしよう
RYOHTA
最短距離を求める問題について解説していきます。出る問題のパターンは同じなのでパターンを覚えておくといいですね

 

最短距離を求める問題の基本

平面上で最短距離を求める問題の基本

最短距離を求める問題の基本は「最短距離=直線」ということですね。例えば次の図を見てください。

AからBへの最短距離

当たり前ですが、赤線がAとBをつなぐ、最短距離で、決して、青線のような曲がった線にはなりません。これが基本ですね。

 

立体上で最短距離を求める問題の基本

では立体の場合はどうなるでしょうか。立体の場合もまったく同じで、「展開図上で直線を引いて考える」ということが基本です。

例えば以下の円錐で、底面を通らずにAからBまでの最短距離を求める場合、以下の図のように展開図を書くと、赤色の直線が最短距離になりますね。

円錐の最短距離を求める問題

 

平面上で最短距離を求める問題

では実際に問題を解いていきましょう。

(1) PX+XQが最小となる時のXの位置を作図しなさい。ただしPとQは固定されており、Xは直線上を自由に動くことができる。

平面上の点と点の最短距離の問題

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まずは、Pを直線に対して対称な位置へ移動させたP’を作図します。そして、その後は、P’とQを結び、直線との交点がXになりますね。Pを直線の位置に対して対称な位置へ移動させるのがポイントです。

点と点の最短距離の問題

(2) PQ+QR+RSが最小となる時、QとRの位置を作図しなさい。ただし、四角形は長方形で、PとSは固定されており、QとRは線分上を自由に動くことができる。

平面の点と直線の問題

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長方形を1回右へ倒し、その後上に倒し、S”を作図します。そして、その後は、PとS”を結び、折り返した長方形の辺との交点がQとR’になりますね。後は、元の長方形に直線を戻してあげれば答えになります。

点と点の最短距離。長方形

長さを求めたい場合は、三平方の定理で、PS”の長さを求めれば赤色の長さがわかりますね。

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平面の最短距離を求める問題では折り返すことがよくあります。折り返すことを意識しておくといいですね。

 

立体上で最短距離を求める問題

立体での点と点の距離を求める問題は展開図を考えます。ほとんど平面と考え方は同じです。実際に問題を解いていきましょう。

円柱の最短距離を求める問題

(1) 円柱があり、上面にある点Bとその真下にある点Aを考える。AからBを紐で結び、最短距離で結んだ時、紐の長さはいくらになるか。ただし、AからBへは側面を1周回るものとする。

円柱の点と点の距離

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展開図を書いて、AとBを図示し、直線で結びます。後は、三平方の定理で距離を求めればいいですね。

$\begin{aligned}AB&=\sqrt{5^{2}+\left( 4\pi \right) ^{2}}\\  &=\sqrt{25+16\pi ^{2}}\end{aligned}$

円柱の最短距離を求める問題

三角錐の最短距離を求める問題

(2) 三角錐があり、下面にある点Aとその向かいにある点Bを考える。AからBを紐で結び、最短距離で結んだ時、紐の長さはいくらになるか。ただし、AからBへは側面を通るものとする。

三角錐の最短距離の問題

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展開図を書いて、AとBを図示し、直線で結びます。扇型の中心角をθ°とすると、次の式が成り立ちます。

$2\times 2\times \pi =6\times 2\times \pi \times \dfrac{\theta }{360°}$
これを解いて、θ=120°

円錐の最短距離を求める問題

よって、角AOB=60°となり、三角形AOBは正三角形となります。よってAB=6となります。

 

立方体の最短距離を求める問題

(3) 一辺 6 の 立方体があり、頂点にある点Aと、辺の中心にある点Bを考える。AからBを紐で結び、最短距離で結んだ時、紐の長さはいくらになるか。ただし、AからBへは側面を通るものとする。

立方体の最短距離の問題

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展開図を書いて、AとBを図示し、直線で結びます。側面の展開図だけを書けば十分ですね。後は三平方の定理でABの長さを求めます。

$\begin{aligned}AB&=\sqrt{3^{2}+12^{2}}\\ &=3\sqrt{17}\end{aligned}$

立方体の最短距離の問題

 

正四面体の最短距離を求める問題

(4) 一辺 3 の 正四面体があり、辺の上に点Aと点Bがある。AからBを紐で結び(ただし、OD直線OD上を通るものとする)、最短距離で結んだ時、紐の長さはいくらになるか。

正四面体上の最短距離の問題

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展開図を書いて、AとBを図示し、直線で結びます。側面の展開図だけを書けば十分ですね。後は三角形OABで余弦定理でABの長さを求めます。

$\begin{aligned}AB^{2}&=OA^{2}+OB^{2}-2OA\cdot OB\cdot \cos 120\\ &=2^{2}+1^{2}-2\cdot 2\cdot 1\cdot \left( -\dfrac{1}{2}\right) \\ &=7\end{aligned}$

よって$AB=\sqrt{7}$

正四面体の最短距離の問題、解答

 

 

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他にもたくさんのバリエーションがありますが、ほとんど解き方はこれらと同じです。ぜひマスターしておきたい問題です。