《わかりやすい》接弦定理の証明。鋭角パターンと鈍角パターンも簡単解説

  • 2022年5月12日
  • 2023年11月19日
  • 数学
接弦定理の応用パターン
RYOHTA
接弦定理の公式をわかりやすく証明していきます。公式の成り立ちは覚えていて損はないです。しかし、数学が苦手な方は問題をとくことをまずは優先しましょう。

 

接弦定理の基本パターンを覚えよう

接弦定理の基本パターン

まずは接弦定理の基本パターンを見てみましょう。下の図のようにAで直線と円が接しています。この時にAを1つの頂点とする三角形を描くとの2つの角度は同じになります。

接弦定理の基本パターン

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言葉を覚える必要はありません。図を何度も見てすぐに思い出せるようにしましょう

 

接弦定理の応用パターン

接弦定理の角度は90°でも、また90°よりも大きな角度(鈍角)の場合でも成り立ちます。

接弦定理の応用パターン

 

角度が90度の時は、2つの角度はどちらも90°になります。また、角度が90°よりも大きな角度(鈍角)の場合は思いつきにくいので注意が必要ですね。

 

接弦定理の鋭角の証明

まずは基本となる角度が鋭角(90°より小さい角)の場合の証明をしてみます。

まずは接点Aを通って中心を通る直線を引き、円との交点をDとします。円周角の定理より

$\angle ABC=\angle ADC$・・・・①

接弦定理(鋭角)の証明1

 

次に、三角形ADCは円の中心を通る三角形なので、∠DCA=90°。また、三角形の内角の和は180°なので、

$\begin{aligned}\angle ADC&=180^{\circ }-LOCA-\angle CAD\\ &=180^{\circ }-90^{\circ }-\angle CAD\\ &=90^{\circ }-\angle CAD・・・・②\end{aligned}$

また、Aは接点なので、

$\begin{aligned}\angle CAX&=\angle DAX-\angle EAO\\ &=90^{\circ }-\angle CAD・・・・③\end{aligned}$

接弦定理(鋭角)の証明2

②、③より

$\angle ADC=\angle CAX$・・・・④

よって①、④より

$\angle ABC=\angle CAX$

これで証明は終了ですね。

>>>円周角の定理の証明はこちら

 

接弦定理の直角の証明

直角の場合の証明はとても簡単ですね。先ほどの鋭角の接弦定理の後半部分のみということになります。

接弦定理(直角)の証明

三角形ABCは円の中心を通る三角形なので、∠BCA=90°。また、三角形の内角の和は180°なので、

$\begin{aligned}\angle ABC&=180^{\circ }-\angle OCA-\angle CAB\\ &=180^{\circ }-90^{\circ }-\angle CAB\\ &=90^{\circ }-\angle CAD・・・・①\end{aligned}$

また、Aは接点なので、

$\begin{aligned}\angle CAX&=\angle DAX-\angle EAO\\ &=90^{\circ }-\angle CAB・・・②\end{aligned}$

①、②より

$\angle ABC=\angle CAX$

これで証明は終了ですね。

 

接弦定理の鈍角の証明

最後に角度が鈍角(90°より大きい角)の場合の証明をしてみます。証明方法で一番簡単なのは、「接弦定理(鋭角)の証明を使って証明する方法です。

接弦定理(鈍角)の証明1

まずは、接弦定理(鋭角)の証明をして、

$\angle BAY=\angle BCA$・・・・①

を示します。後は、それぞれの角度を数式で表します。

直線の角度は180°なので、

$\begin{aligned}\angle CAX&=180^{\circ }-\angle BAY-\angle CAB・・・・②\end{aligned}$

また、三角形の内角の和は180°なので、

$\begin{aligned}\angle CBA&=180^{\circ }-\angle BCA-\angle CAB・・・・③\end{aligned}$

①、②、③より

$\angle CAX=\angle CBA$

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これで証明は完了となります。証明を求められることはほとんどありませんが、覚えておくといいですね