問題が解けなかったとき、多くの人がまず解説を読みます。
そして「なるほど」「分かった」と感じるのですが、翌日同じような問題を解くとまたつまずく——そんな経験はありませんか。
「解説を読めば分かる」という考え方には大きな落とし穴があります。
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なぜ解説を読んでも理解できないのか
「解説が難しくてわからない」という相談は少なくありません。
しかし、原因の多くは解説そのものではなく、その前の段階にあります。
特に苦手な生徒に共通するのは、問題文を自分で整理する力が不足していることです。
例えば連立方程式の文章題。

先生やできる人は、問題を見た瞬間に次のような整理をしています。
●数量を書き出す
●矢印で関係性を整理する
●表や図を書く
ちょうどこんな感じ。

一方、苦手な人は文章をそのまま読んでしまい、頭の中で情報を整理できていません。
解説を読む前に必要なのは、問題を自分なりに整理することなのです。
参考書の解説は「途中の思考」が省略された完成品
もう一つ大きな理由があります。
教科書や参考書の解説は、途中の思考が省略された完成品です。
紙面には限りがあるため、試行錯誤や迷いは省略され、最も分かりやすい形だけが載っています。
しかし、実際に問題を解くとき、私たちは完成形から逆算して考えているわけではありません。
例えば物理の「力」の問題。
参考書には最初からきれいな力の図が描かれています。

しかし、実際の思考はもっと細かく進みます。
重力を書く
垂直抗力はどうなるか考える
摩擦力の向きを確認する
このように、一つずつ整理しながら考えています。このように物体も分けて考えるのです。

完成した図を見るだけでは、この思考の流れは身につきません。
二次関数も「図」が先に来るべき
高校数学の二次関数の最大・最小値でも同じことが起きます。
参考書では、いきなり場合分けが始まることがあります。
しかし、多くの生徒は、
「なぜ場合分けが必要なのか」
という段階で止まってしまいます。
そんなとき私は、まずグラフを描くよう勧めます。

図を書くことで、
「頂点が動くから場合分けが必要なんだ。」
と自然に理解できます。
解説より先に図を書く方が、理解が深まるケースは非常に多いのです。

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高校以降は「自分の言葉」が必須になる
高校では証明問題や記述問題が増えてきます。
物理でも数学でも、
「なぜそう考えたのか」
を説明する力が求められます。
参考書の解説をそのまま書き写しても意味はありません。
AI時代こそ大切なこと
AIは驚くほど分かりやすい解説を作ってくれます。しかし、それを読んだだけで学力が伸びるわけではありません。
本当に効果的なのは、
●問題文を自分で整理し直してみる
●自分の言葉で説明してみる(人に教えるつもりで)
という作業です。
AIも参考書も、「完成した解説」を与えてくれます。しかし、本当に力になるのは、自分の頭の中で解説を作り上げるプロセスなのです。
解説を読むことが勉強ではありません。
自分の頭の中に「もう一つの解説」を作ることが勉強なのです。
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私がレッスンで大切にしていること
私はレッスン中、教科書や参考書と同じ説明をほとんどしません。
生徒一人ひとりがつまずく場所は違うからです。
その子が理解しやすい言葉に言い換え、
図を一緒に描き、思考の過程を整理しながら、「自分で理解できる形」を一緒に作ります。
まとめ
「解説を読めば分かる」と思っている人は少なくありません。
しかし、
「分かった」と「解ける」は全く別物です。
解説は完成品です。本当の学力は、
●情報を整理し
●自分の言葉で説明できるようになったとき
に身につきます。
本当の学びとは、完成した解説を理解することではありません。
途中の思考を、自分で再現できるようになることです。そして最終的には、自分だけの解説を作れるようになること。
それこそが、本当の意味で「理解した」と言える状態なのです。
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