途中式を書く本当の理由|計算ミスを減らすためではありません

途中式を書いている女の子

「途中式を書きなさい。」

学生時代、先生から何度も言われたフレーズです。

でも、その理由を教わった人は意外と少ないのではないでしょうか。

多くの人は、

 

計算ミスを減らすため
部分点をもらうため
先生に見せるため

 

だと思っています。

もちろん、これらも結果として得られる効果です。

 

RYOHTA
しかし、本当の理由はそこではありません。途中式を書く本当の目的は、自分の考え方を見える形にすることです。

 

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計算が速い生徒ほど、実は危ない

私はこれまで多くの生徒を指導してきましたが、途中式を書かない生徒の多くは、決して数学が苦手ではありません。

むしろ、

 

計算が速い
答えもよく合っている
私より速く解く生徒もいる

 

そんな生徒がたくさんいます。しかし、答案を詳しく見ると、

 

図が描かれていない
状況が整理されていない
論理が飛んでいる

 

というケースが少なくありません。

例えば、次のような問題

二次方程式の例

ホワイトボードで二次方程式を解いていると、最後の答えをx=3だけと書いてしまう生徒がいます。

本来はx=3 と x=−3の2つです。

途中で確認する習慣がないため、見落としてしまう典型例です。

逆の例もあります。

長方形の一辺の長さを求める問題

「長方形の一辺の長さを求めなさい。」という問題なのに、8 と −3と答えてしまう生徒がいます。

長方形の一辺が−3cmということはあるでしょうか。

もちろんありません。

これは計算ができないのではありません。

「今、何を求めているのか」を考えず、数式だけを処理してしまっている状態です。

 

RYOHTA
つまり、数学を「考える教科」ではなく、「計算を速く処理する教科」だと勘違いしてしまっているのです。

 

途中式は「思考を整理する道具」

私は途中式を、計算を書く場所ではなく、思考を書く場所だと考えています。

頭の中だけで考えていると、

 

どこまで考えたか
何を見落としたか
なぜその式になったのか

 

が曖昧になります。

途中式や図を書くことで、自分の考えを客観的に確認できるようになります。

まるで、自分の頭の中を紙の上に書き出すようなものです。

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難しい問題ほど、途中式で差がつく

計算が速い人と思考する人

計算が速い人の落とし穴

簡単な計算問題なら、速く解ける人が有利かもしれません。

しかし、高校数学や大学入試レベルになると話は変わります。

難しい問題ほど、

 

図を描く
条件を整理する
場合分けをする
一つずつ確認しながら進める

 

という作業が必要になります。

 

RYOHTA
だから私は、速く解ける生徒よりも、ゆっくりでも丁寧に考えられる生徒の方が、最終的には伸びると感じています。

 

速く解ける生徒が伸び悩む一番の理由は、考え方を整理する習慣が身についていないことです。

 

途中式を書けば伸び続ける

小学生・中学生のうちから丁寧に途中式を書く習慣を身につけた生徒は、高校生になってからも伸び続けます。

一方、速さだけを追求してきた生徒は、その学び方を変えることに苦労します。

実際、図や途中式を書く習慣が身についていない生徒は、高学年になればなるほど、残念ながら簡単には書けるようになりません。なぜなら、

 

数学を「考える教科」ではなく、「計算を処理する教科」として学んできたからです。

 

速く解ける生徒が、あえて立ち止まり、図を書き、途中式を書きながら考える。

これは一度身についた解き方を変えることになるため、想像以上に難しいのです。

だからこそ、小学生や中学生のうちから、図を書き、途中式を書き、自分の考えを整理する習慣を身につけておくことが大切なのです。

 

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AI時代だからこそ、途中式は必要

AIは答えも詳しい解説も、一瞬で作ってくれます。

しかし、AIはあなたの頭の中までは整理してくれません。

途中式を書くという作業は、

 

自分の理解を確認する
矛盾に気づく
思考を深める

 

ための時間です。

AIを上手に使いこなす人ほど、この「自分で考える過程」を大切にしています。

 

私がレッスンで一番見ているもの

考え方の絵や途中式を描いたノート

実は私は、生徒の最終的な答えよりも途中式を重視して見ています。

そこには、

 

何を理解しているのか
どこで迷ったのか
なぜ間違えたのか

 

が、そのまま記録されているからです。

レッスン中、生徒から、

「先生は教えるために図や途中式を書いているんですよね。」

と言われることがあります。

でも、私はこう答えます。

「違うよ。教えるために書いているんじゃない。」

「私は問題を解くときも、いつも同じように図や途中式を書いている。」

図や途中式は、生徒に説明するためではありません。

私自身が考えるために必要だから書いているのです。

もし図や途中式を書かなければ、私も難しい問題は解けません。

数学が得意な人ほど、頭の中だけで考えているわけではありません。

紙に書きながら、

 

整理する
確認する
考えを深める

 

という作業を繰り返しています。

だから私は、「途中式を書きなさい。」とはあまり言いません。

代わりに、「今、何を考えている?」と質問します。

 

RYOHTA
途中式は目的ではありません。考え方を見える形にするための道具なのです。

 

まとめ

途中式を書く本当の理由は、計算ミスを減らすためでも、部分点をもらうためでもありません。

自分の思考を整理し、数学を「考える教科」として学ぶためです。

答えだけを追うのではなく、

 

図を描く
状況を整理する
自分の考えを確認しながら解く

 

それが、本当の数学力です。

途中式を書くとは、計算を書くことではありません。自分の思考を書き残すことなのです。

 

RYOHTA
今日の1問から、「なぜそうなるのか」を意識してぜひ一緒に取り組みましょう!

 

 

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