計算ミスの原因は計算力ではない|「計算ミス」が本当の原因を隠している

計算ミスに悩む生徒

「うちの子、計算ミスが多くて困っています……」

保護者の方から、この言葉を本当によく聞きます。

でも私は、そのたびにこう考えます。

「本当に、それは計算ミスでしょうか?」

実はレッスンでは、「計算ミス」と思われているものの多くが、計算力とは別の原因で起こっています。

 

RYOHTA
もっと根本的なところでつまずいているケースが少なくありません。

 

 

関連記事

「途中式を書きなさい。」学生時代、先生から何度も言われたフレーズです。でも、その理由を教わった人は意外と少ないのではないでしょうか。多くの人は、 ●計算ミスを減らすため●部分点をもらうため[…]

途中式を書いている女の子

 

本当の計算ミスは、それほど多くありません

計算ミスをしたノート

本当の意味での計算ミスとは、例えば次のようなものです。

 

●数字を1つ書き間違えた
●符号を書き写し忘れた
●単純な足し算や掛け算をうっかり間違えた

 

こうしたミスは誰にでもあります。

私にもありますし、数学の先生でも、研究者でもゼロにはできません。

 

RYOHTA
だから、本当に単純な書き間違いなら、必要以上に責めたり、不安になったりする必要はありません。

 

「計算ミス」の正体は、別のところにある

考え違いをしたノート

レッスンで実際に見てきた「計算ミス」の多くは、実は次のような原因でした。

 

●問題文の大事な条件を読み落としていた
●図を書かずに計算を始めていた
●途中式を書かず、頭の中だけで処理していた
●「結局何を求める問題なのか」を理解していなかった

 

最後の答えが違っていたとしても、それは計算力の問題ではありません。

考え方や整理の仕方に原因があるのです。

 

 

点数が低いなら、「本当に計算ミスか」を疑う

毎回のように「計算ミス」で失点し、テストの点数もなかなか伸びない。

この場合は、一度立ち止まって考えてみてください。

本当に計算ミスでしょうか。

原因は、

 

●問題の読み取り方
●図の描き方
●途中式の書き方
●条件整理
●考え方のプロセス

 

にあるかもしれません。

ここを改善しないまま計算ドリルだけを増やしても、根本的な解決にはなりません。

努力の方向が間違っている可能性があるのです。

 

逆に、高得点なら気にしすぎなくていい

一方で、普段から80点、90点を取っていて、たまたま1〜2問だけ計算ミスをした。

この場合は、必要以上に心配する必要はありません。

本当に単純な書き間違いなら、それは誰にでも起こります。

計算練習ばかり増やすよりも、もっと難しい問題に挑戦したり、新しい考え方を学んだりした方が、学力は伸びていきます。

 

RYOHTA
100点だけを目標にするよりも、「できることを増やすこと」の方が、長い目で見ると大切です。

 

計算力は軽視しなくていい。でも育て方が大切

サッカー選手と野球選手
ここまで読んで、「じゃあ計算力は鍛えなくていいの?」と思ったかもしれません。

もちろん、そんなことはありません。

数学が本当に得意な人ほど、計算も自然と上手いです。

プロの野球選手のキャッチボールやサッカー選手のパスは、プロでない選手と全く違うことはイメージがつきやすいかと思います。

計算も同じですが、ただ、「今すぐ計算を速くしなければ」と焦る必要はありません。

計算力は一生使い続ける基礎技術です。短期間で無理に追い求めるより、正確さを丁寧に積み重ねていく方が、結果的に大きな力になります。

 

関連記事

問題が解けなかったとき、多くの人がまず解説を読みます。そして「なるほど」「分かった」と感じるのですが、翌日同じような問題を解くとまたつまずく——そんな経験はありませんか。「解説を読めば分かる」という考え方には大きな落とし穴が[…]

解説を読んでも問題が解けない理由

 

生徒自身にも伝えたいこと

「自分は計算ミスが多いから数学が苦手なんだ。」

そう思っている中学生や高校生も、一度立ち止まって考えてみてください。

そのミスは、本当に計算ミスでしょうか。

もし原因が考え方や整理の仕方にあるなら、改善する方法は必ずあります。

原因が分かれば、勉強のやり方も変わります。

 

AI時代だからこそ、原因を見る

AIは計算をほとんど間違えません。

だからこそ、これからの時代に人間に求められるのは、「何を考え、何を計算するべきか」を判断する力です。

計算ミスだけに目を向けるよりも、その前の考え方を見直す方が、本当の学力につながります。

 

関連記事

RYOHTA多くの人は、数学が苦手だから公式を覚えられないと思っています。しかし、実は私は逆だと思います。数学を「公式を覚える教科」だと思っていることが、苦手になる原因の一つなのです。 […]

数学が苦手な人ほど公式を覚えてしまう理由

まとめ

「計算ミスが多い。」

そう感じたら、まずはこう考えてみてください。

 

本当にそれは計算ミスでしょうか。

 

本当の原因は、問題の読み取りや、図、途中式、考え方の整理にあるかもしれません。そして、もしそれが本当に単純な書き間違いなら、必要以上に気にする必要はありません。

計算ミスは悪いことではなう、本当に怖いのは、理解不足を「計算ミス」の一言で終わらせてしまうことです。

計算ミスは「結果」。本当に見るべきなのは、その結果を生んだ原因です。

 

RYOHTA
原因が分かれば、勉強のやり方は変わります。そして、勉強のやり方が変われば、学力も変わります。