ベクトルの外分点の公式の確認
外分点をの公式は次の通り 。$\overrightarrow{a}$には-nが掛け算され、$\overrightarrow{b}$にはmが掛け算されます。
$\begin{split}\overrightarrow{OM}&=\dfrac{-n\overrightarrow{a}+m\overrightarrow{b}}{m-n}\\ &\left( =\dfrac{-n}{m-n}\overrightarrow{a}+\dfrac{m}{m-n}\overrightarrow{b}\right) \end{split}$
まずは数字を使って考えよう
内分点を使ったよくある問題は次の通りです。以下の図で、$\overrightarrow{OM}$ を $\overrightarrow{a}$ と $\overrightarrow{b}$ を使って表すような問題ですね。AM:MB=3:1 になっています。
この時、$\overrightarrow{OM}=-\dfrac{1}{2}\overrightarrow{a}+\dfrac{3}{2}\overrightarrow{b}$
になります。これがベクトルの外分点を使った公式ですね。
公式を使わずにOMベクトルを求めよう
先ほどは公式を使って $\overrightarrow{OM}$ を求めました。では、次は外分の公式を使わずに $\overrightarrow{OM}$ を求めましょう。外分すると考えずに、単純に $\overrightarrow{OA}$ と $\overrightarrow{AM}$ を足し算します。
ここで注意としては、AMの長さはABの長さの $\dfrac{3}{3-1}$倍 $( = \dfrac{3}{2}$倍)になっているということですね。
$\begin{aligned}\overrightarrow{OM}&=\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{AM}\\ &=\overrightarrow{OA}+\dfrac{3}{2}\overrightarrow{AB}\\ &=\overrightarrow{a}+\dfrac{3}{2}\left( \overrightarrow{b}-\overrightarrow{a}\right) \\ &=-\dfrac{1}{2}\overrightarrow{a}+\dfrac{3}{2}\overrightarrow{b}\end{aligned}$
これで公式を使わずに $\overrightarrow{OM}$ を求められました。
ベクトルの外分点の公式の証明
外分点のわかりやすい証明
では次は文字を使って一般化して同じように $\overrightarrow{OM}$ を求めてみましょう。図では、AM:MBの比は m:nになっています。
先ほどと同じように、外分すると考えずに、単純に $\overrightarrow{OA}$ と $\overrightarrow{AM}$ を足し算します。
$\begin{aligned}\overrightarrow{OM}&=\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{AM}\\ &=\overrightarrow{OA}+\dfrac{m}{m-n}\overrightarrow{AB}\\ &=\overrightarrow{a}+\dfrac{m}{m-n}\left( \overrightarrow{b}-\overrightarrow{a}\right) \\ &=\left( 1-\dfrac{m}{m-n}\right) \overrightarrow{a}+\dfrac{m}{m-n}\overrightarrow{b}\\ &=\dfrac{-n\overrightarrow{a}+m\overrightarrow{b}}{m-n}\end{aligned}$
これで公式を使わずに $\overrightarrow{OM}$ を求められました。
外分点が逆にある場合
基本的な証明は以上ですが、実際には外分点が逆にある場合も考える必要があります。
先ほど外分点がB側にある場合、
$\overrightarrow{AM}=\dfrac{m}{m-n}\overrightarrow{AB}$
となりました。では逆になる場合(m<nとなる場合)はどうでしょうか。
この場合、$\overrightarrow{AM}$ は $\overrightarrow{BA}$ の $\dfrac{m}{n-m}$倍 になりますね。
よってこれから $\overrightarrow{AM}$ を計算すると、
$\begin{aligned}\overrightarrow{AM}&=\dfrac{m}{n-m}\overrightarrow{BA}\\ &=\dfrac{m}{n-m}\left( -\overrightarrow{AB}\right) \\ &=\dfrac{m}{m-n}\overrightarrow{AB}\end{aligned}$
これから $\overrightarrow{AM}$ の値は、外分点が右側にある時、左側にある時で同じになりました。なので、外分点が左にある時も公式は成り立つというわけですね。